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何かの小部屋

「 20日目にっき 」

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20日目にっき

2010.03.18 Thursday 17:39

はぐれた時の心境なんかをつらつらと
===========================================================================
「…ぁ…。にゃ…。にゃー、にゃー」
「…。ぅ…ぐ…ぅぁ…」

 床に伏した彼女は、猫の鳴き声らしきものにより薄ぼんやりと意識を取り戻
した。脳が身体の痛覚を認識し、その痛みによって微かに喘ぎ声を漏らす。
 幸か不幸か、その痛みによって更に意識は覚醒した。
 彼女は所々痛む身体を捻って転がり、床に仰向けになって周囲を見渡す。

「ここは…。ああ、そう…か…、ヤヨイちゃんと戦って……痛っ…」

 時折頬を撫でる風が立てる音と、カッツェの鳴き声以外は聞こえない。
 静寂を保つ周囲の様子を確認した後、自分の身体が動くかどうかを確認する。

「はぐれたか…。にしても痛いなあ…、けど、動けないほどではないわね…。
こんな所に長居は無用だし、早いところ追いつかないと…」

 うわ言のように口の中で呟いてから、彼女はその両足で立ち上がりカッツェ
の手を取って足早に歩き出した。

「…あのクマめ…」

――――

 事前に示し合わせていたおかげで、仲間達の行き先はわかっている。その軌
跡をたどれば、遅かれ早かれ合流はできるはずだ。

「カッツェは元気そうね…不甲斐無い主人でごめんね?」
「にゃー?」

 カッツェと呼ばれたネコミミの生えた少女は、不思議そうな顔で首を傾げる。
 この少女は、人間ではない。桐子の手によって生成された【合成獣】だ。

「しかし…あの子は大丈夫なのかしら…。夢遊病にしては、明確な敵意を持っ
ていたし…。他の人を襲っていなければ良いんだけど」

 彼女の心配の種は、件のヤヨイの夢遊病の事。

「ウダウダ考えても仕方ないか。直接聞けばいいよね、そんな事」

 切り替えが早いのは彼女の特技の一つでもある。この辺りは、楽観主義者で
ある彼女の性格の最もたる所なのだろう。『気丈に振舞う女性』とは違う、この
娘はそこまで強くはない。面倒な事、嫌な事は直ぐに忘れる性格なだけ。

「…犬?」

 自分達よりも大分離れたところに、何やら妙に身体の長い犬が、2匹ほど待機
しているのが見えた。それは『遺跡に棲む物』だった。
 避けて通ることも出来るが、その場合、仲間達と合流するのがかなり遅れる事
は目に見えて明らかだった。先を急ぐ彼女にとって、それはどうやっても出来ない
選択だ。

「はあ…仕方ないわね…」
「にゃっ」

 桐子の意思を汲み取ったかどうかは定かではないが、彼女の言葉を聞いて戦
闘体制を取り始めた。桐子は桐子で手に持った武器をぎゅっと握り締め、眼前の
犬と思わしきものをじっと見据えて、静かにそれに近寄っていく。

 それは、立ち塞がる障害全てを薙ぎ倒すような強い意志。
 そして、犬を射程内に捕らえ、彼女は一言だけ呟いた。

「コレだから犬は嫌いなのよ…」

===========================================================================

最後の最後でついに犬嫌いの片鱗を見せた(ぇ
幼い頃に野良犬に追い掛け回されたと言うトラウマ持ちだったり
犬嫌いはソレが理由だね☆


いや、決してPLの私がガキの頃に手首噛まれて頚動脈バックリ
やられて犬嫌いだからって理由じゃないよ?ホントダヨ?

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自己紹介:
偽島 ENo.64 霧島桐子 の中の人
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