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何かの小部屋

「 21日目にっき 」

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2024.05.05 Sunday 20:30

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21日目にっき

2010.03.25 Thursday 19:35

文章コミュイベントの方の
ヴィー(ENo.1996)さんを褒め称える回となりました
ということで件の彼をレンタルいたしました。
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ヴィーさんを愛でる日記
注:今回は本編とは何の関係もあったり無かったりします(意味不
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 偽島の遺跡外に、人目を憚るかのようにヒッソリと佇む喫煙所。
 其処は煙草を吸う人達の、憩いの場であり、最後の砦。

 桐子が一息つくために喫煙所へと入った時、其処にある事実に言葉を失った。
 喫煙所の扉を開ける前には、確かに人の気配は微塵も感じられなかったの
だが、其処には ―『彼』― が、静かに佇んでいた。

「あら珍しい…お一人ですか?」
「そう――だねぇ。見ての通り、俺以外には誰も――居ないね」

 彼は特に周囲を見渡すといった様子も見せず、気配のみで今此処にある全て
の事象を短く語って見せた。
 何度も此処で顔を合わせてはいるが、如何にもこの男は掴めない。
 それはまるで、―暗く深い霧の中を歩いているような―そんな感覚。
 彼の吸っているArome Vanilleの匂いと相まって、頭の芯がクラクラしてくる。

「ヴィーさん」
「うん?」

 不意に彼の名前を呼んでは見たものの、大した話題が見つからない。彼女が
必死に頭を回転させた挙句、出てきたのはとあるイベントでの出来事。

「文章イベントの答え合わせ、ほぼパーフェクトだったらしいじゃないですか」
「あぁ――その事、ね」
「あの文章量の中からキーワードを探し当てるなんて、本当に素晴らしいの一
言に尽きると思います。おめでとうございます」
「え――あ、あぁ、うん、ありが――とう」

 その時いつもは飄々としている彼が、珍しく顔を背ける素振りを見せた事を、
桐子は見逃さなかった。悪戯心が動いたのか、透かさず誉めちぎる事にした。

「本当に凄い事ですよ。やはり頭の回転が速いと言う事と、物事の観点が違う
のでしょうか?何れにせよ私には到底真似できませんねえ…」
「いや――そんな事は――」
「いえいえ、ご謙遜なさらずとも、事実ですから…それに…んっ!?」
「はい――ストップ」

 彼はニコニコしながら、桐子の口をその大きな掌で塞ぎ、言葉を続けさせな
かった。彼に触れられた瞬間、奇妙な気だるさが全身を駆け巡った気がした。

「ゴメンネ――余り、誉められる事には慣れてなくて、ね?」
「い、いえ…すみません、私こそ調子に乗ってしまって」
「ウン。判ってくれれば――イイヨ。それよりも――大丈夫だった?」

 注意深く見ていなければ判らないほどの薄ら笑みを浮かべながら、彼は大丈
夫かと聞いて来た。何の事だろうかと回転率の鈍った思考を巡らすが、答えは
見えて来なかったので、いっそ思考を放棄して素直に聞くことにした。

「…なにが、です…?」
「いや、思わず吸っちゃったみたい、だから――さ」
「吸った…?」
「そう、生気――つまり、万物に宿るエネルギーの事、ね」
「あっ…」

 そう言われて初めて思い出した。「この男は、人間ではない」という事を。
ナイトウォーカー、夜を渡るモノ。つまり平たく言えばヴァンパイア。
 先ほど感じた気だるさは、吸われた時の感覚という事だったようだ。

「少し倦怠感を感じたくらいですから、大丈夫ですよ」
「ふぅん――とーこサン、割と耐性あるのかもねぇ」
「そんな耐性が在ってもしょうがない気がしますけど…」
「そう?コッチとしては――ちょっと嬉しいんだけど、ね。美味しかったし

 …美味しい?
 いまボソっと美味しいと言ったか?この男。

「…貴方に陶酔する方でしたら、その言葉は至上の喜びでしょうけど、ね…」
「おや――ソレは残念だねぇ――まぁ、ゴチソウサマ?」

 くつくつと悪戯な笑みを浮かべながらそんな事を言う様は、たまに喫煙所で
顔を合わせる程度の認識からは想像も出来なかった。「ずるい」という言葉は
こういう時に使う物なのだなと、冷静に考えてしまう辺りどうかしている。

「ソレじゃ――俺はそろそろ、戻るよ」
「え…あっ、はい。お気をつけて」
「ははっ――そちらサンもお気をつけて、機会があればまた――吸わせてね」

 不意打ちにも程がある。
 そう言いながら、ポヒュッという小さな音と共に煙草の吸殻を灰燼に帰す。
そして、彼はそのまま霧散するように消えていった。

「不思議な方ね…」

 バニラの香りが僅かに残る喫煙所に残された彼女は、自然とそんな事をぽつ
りと呟いていたのだった。

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Special thanks to
ENo.1996 アイヴィ・ドゥシェル様
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内容が無いのはいつもの事
口調がアレなのはご愛嬌

何はともあれ、ほぼパーフェクト達成おめでとう御座います!

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