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何かの小部屋

「 15日目にっき 」

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2024.11.21 Thursday 18:03

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15日目にっき

2010.02.11 Thursday 05:55

はい、文字数制限のおかげで訳が入ってなくて
サッパリ訳のワカラン英文になっております。
ということで此方で保管

===========================================================================
― これは沓子が島に来る以前のお話 前編 ―

屋敷の中を一人のメイドがキッチンワゴンを押しながら歩いている。
そのワゴンの1、2段目には、恐らく料理長が作ったものであろう料理が所狭し
と積まれており、3段目には茶器類がこれまた所狭しと積まれている。
彼女は広間のテーブルにつくと、その料理類を手際よく並べ始めた。

「やあ、精が出るね」

取り分け様の皿を並べながら後ろを振り返ると、其処には一人の男性。
この館の主、神野総一が立っていた。

「総一様、お仕事はもう終わったのですか?」
「御蔭様でね。ヒマになったから、仕事振りを見にきた」

彼は飄々とした身振りで手をひらひらさせ、椅子へ腰掛けながらそんな事を言
っていた。彼の言う「見に来た」には、恐らく「邪魔しに来た」が含まれてい
るのだろう。この屋敷で働いてみて、その意味は直ぐに理解できた。

「良いね」
「…なにがですか…」
「沓子の尻と腰が」

ガシャン、という音と共に皿が一枚砕け散った。

「セクハラで訴えますよ?」
「コレはセクハラではない」
「では一体なんだというのですか…」
「私の素直で率直な感想だ」
「呆れた主様ですこと…」

そんなやり取りをしつつ、ワゴンの食器を全て並べ終え総一のほうを振り向く。

「お食事のご用意は出来たわけですが…シル様はどちらに?」
「さて、何処だろうな…?私は此処2時間ほど見ていないが」
「書斎には寄っておられないのですか。そうすると…」

思い当たる節が在った様で、沓子は手をぽんと叩く。

「ちょっと呼んで参ります。摘み食いなんかしてはいけませんよ?」
「…私は子供かね」
「子供みたいな事するから言われるんですよ」

そういってから、広間を出て行った。
向かう先は判っている。この時間、シルはあそこにしか居ないだろう。
速めの歩調で部屋の前まで行き、扉をコンコンと二回ほどノックする。

「シル様、此方にいらっしゃいますか?」

返事は、無い。いつもの事だ。

「失礼します」

扉を開け部屋に入るとシルヴィスが其処に居た。
彼女は、とある肖像画の前で佇んでいた。その肖像画には、先代の主 ―つまり
総一の祖父である― 神野総司が描かれている。

「あぁ、沓子さんですか」
「お食事のご用意が整いましたので、お呼びに参りました」
「あら…もうそんな時間でしたか。直ぐに参ります」

沓子はシルヴィスが何故此処で肖像画を見つめているのか、理由を知らない。
もう長い期間この屋敷で一緒にメイドをしているが、その理由を聞こうと思っ
たことが一度も無かった。だが、今日のこの時は何かが違ったようだ。

「あの、シル様。差し支えなければ教えていただきたいのですが」
「…なにかしら?」
「何故先代の肖像画を見つめていらっしゃるのですか?」
「…」

暫しの沈黙。
不味い事を聞いたのかもしれない。
その気まずい沈黙に耐え切れずに沓子が切り出す。

「あ、あの、話し難い事でしたら無理に聞こうとは思いませんので…」
「貴女には話してなかったかしら…。良いわ、教えてあげる」
「えっ…」

それは予想外の返答だった。軽くあしらわれて終るものだと思っていたのだが
どうやらそのときのシルヴィスの機嫌は良かったらしい。

「ですが、今は食事をするのが先です。総一様を待たせていらっしゃいますし
ね。そうね…今夜私の部屋へいらっしゃい。その時に話してあげるわ」
「あ…はい、判りました」

二人は部屋を後にし、総一の待つ広間へと駆けて行った。

――――

全ての業務が終り、後は寝るだけという時間になり、沓子はシルヴィスの部屋
の前へと立ち、その扉をノックをする。

「シル様、沓子です」
『お入りなさい』

失礼しますと言いながら部屋に入ると、其処には見知った顔が二つ。

「…何故に総一様が居るのですか…?」
「あぁ、シルが話しておきたい事があるって言ってたからね」
「ええ、総一様にも聞いておいて頂きたく思いましてね。椅子は其方に…お茶
もどうぞ」
「ありがとうございます」

ティーカップを受け取りながら椅子に座り、シルヴィスの言葉を待つ。

「…。そうねぇ…これは私が日本に来る前の話…。総司様とお会いした当初の
事なんですが…」

そういってから、彼女は訥々と言葉を紡ぎだしたのだった。

―― シルヴィスの過去 ――

その飛行機に何が在ったのかは判らないが、ソレは山間の開けた場所で二つに
折れ、明々と燃え盛る炎に包まれていた。
周りには消防車が数台、そして野次馬やその飛行機に乗っていたであろう者の
身内と思わしき人々が溢れ返っていた。

『お父様!お母様!いや!私一人を置いてかないで!』
『駄目だお嬢ちゃん!あの中はもう…!』

そんな中で、一人の少女の声が木霊する。
彼女は回りの大人に羽交い絞めにされていたにも関らず、その身を振り解き両
親の元へと走り出そうと必死でもがいていた。

『離して!私も連れて行って!お父様あああ!』

その時である。
轟音と共に眼前の飛行機が激しく爆発し、その機体は面影を残す事無くバラバ
ラに砕け散った。

『イヤアアアアアアアアアアアアアア』

少女の叫びを皮切りに、周囲の人々も各々に悲鳴を上げ始めたのだった。

――――

飛行機事故により両親を失った少女は、チェルシー地区の広い屋敷を捨て、
たった一人で、スラム街であるイーストエンド地区へと移り住んだ。
悲しみを捨てるという意味もあったが、何よりも後継者争いに疲れたのだ。
お世辞にも綺麗とはいえない部屋だったが、野宿よりはマシだろうと屋敷を出
る際に持ち出した幾ばくかの資金で其処を間借りした。
『ただ一人』という事は、食べるためには金を稼がなければならない。
其処で彼女は、路地裏にある娼館に足を運んだ。

「Money is needed.
 (お金が要るの)」
「HAHAHA. The child doesn't come. go home.
 (はは、此処はガキの来るような場所じゃねえよ。さっさと帰んな)」
「there are no parents. It died. I'm only one person
 (両親は死んだから居ないわ。私一人だけなの)」
「f...m...」

娼館の主と思われる女性は暫しの黙考をする。
それでも必死な少女を見て、渋々と言った様子でソレを了承した。

「However,the guest pulls it by herself. OK?
 (ただし、客は自分で引いてくる事。いいかい?)」
「OK,thanks」

少女は手続きの書類を書き、登録章を貰い無造作にポケットへ入れ、表の路地
へと歩き出した。
イーストエンド…スラム街といえど、ある程度の区画整備はされている。
道を行き交う人々はお世辞にも裕福とはいえないが、それなりの身なりはして
いるため選り好みをする余裕はある。出来るだけ金を持っていて、好色そうな
男性に狙いを定め、声をかける。

「Hey fag Mr. Does not stop by? Be 30 quid it takes it to the heaven. hahaha
 (其処のタバコ吸ってるオジサマ。ちょっと寄っていかない?
 30ポンドで天国へ連れてってあげるよ。あははは)」
「oh... Jesus...
 (おお…神よ…)」

声をかけた男は少女を見るなり神に祈り始め、此方に向かって声をかけてきた。

「Such a thing should not be done. Besides, there must be a means. You are young.
 (君はまだ若い。こんな事はするべきではないのだよ。もっと他に手段があるはずだ)」

確かに正論だ。
だが、少女にとってそんな些細な事は問題ではない。
これは生きるためにしている事なのだ。

「Is what kind of thing life in this place means understood and do it say?
 Here the person who can have it is still given,
 and the person who doesn't have it is deprived still.
 Because you are wealthy... you do not understand!
 (この場所での生活がどんな事を意味するのか解って言ってるの?
 此処では持てる者はなお与えられ、持たざる者はなお奪われるのよ。
 貴方は裕福だから…貴方には判らないでしょうね!)」
「Easy come, easy go. Such a thing has already been resigned. ok?
 (悪銭身に付かずというだろう。こんな事はもう辞めるんだいいね?)」

男性はそう言って、少女の腕を引き歩き出した。

「oh! Just moment! hey! Get your hand off me! Let me go! HEY!!
 (ちょ、ちょっとまってよ!手離してよ!ねえ!離してってば!)」

必死に叫んだが離してくれない。少女は半ば諦め、彼に付いていく事にした。
そして、そのまま黒塗りの車に乗り、彼の屋敷へと連れて行かれた。
屋敷につくと広間に通され、そこで用意された食事を摂りながら、自分を何故
連れてきたのかを聞いた。最初は人攫いの類かとも思ったがどうも様子が違う。

「It said. Besides, there is a means. you it works at this conduct oneself.
 (他に手段があるといったろう。君は此処で働くんだよ)」

彼はそう言った。働く?私がここで?どうやって?
少女の戸惑いを余所に、彼は言葉を続ける。

「The content is easy. Housework is done.
 ...It is useless in the clothes. Change of clothes were prepared.
 (メイドとして家事をしてもらう。なに、簡単な事だ。
 …だがその服ではダメだな、着替えを用意してある)」

そして、一呼吸置いてから少女の名前を呼ぼうとして、傍と気がついた。

「The name is not heard as far as that goes. what's your name?
 (そう言えば名前を聞いていなかったな。君の名は?)」
「silvis... silvis=victoria
 (シルヴィス…シルヴィス=ヴィクトリアよ)」
「oh...silvis... It is a good name.
 (そうか…シルヴィス…良い名だ)」

こうして、シルヴィスのメイドとしての人生が始まったのだった。

===========================================================================
という事で、シルヴィスさんの過去話、前編でした。
文章コミュのイベントと絡めて、後編に続きます。

時代背景ですが、イーストエンドがスラム街として認識されていた時代。
大体1970~1980くらいですかね?うん、まぁ、そんな時代。
あと、1ポンド=550円くらいだと思ってください。
円相場チゲェだろ!とか、細かい事は気にしたら負けです。

今回に限っては、英文は無視して訳だけ読んだらいいとおもうよ…
次回は英文のところを 『』
日本語のところを 「」
にしようと思っています。

…文字数足りるといいんですけど…
足りなかったら、冒頭のところが「中編」に変わってると思うヨw

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