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10日目
ベルクレア第14隊と名乗る兵士3名、そして隊を纏めていると思わしき妙齢の女性。
その小隊を纏める女性は、大凡戦場には似つかわしくない深紅のドレスを着込み、
三人の眼前に佇む。紫の瞳、ウェーブの長髪。桃色に水色が入り混じった不思議な
色をした髪。彼女はレディボーンズと名乗っていた。
『ベルクレア』というモノが何かは判らないが、以前出くわしたアルミ缶が言って
いたのが正しければ、この島に存在する完全敵対勢力のようだ。
話し合いは無駄…という事。出くわした以上、ベルクレアと戦う事は避けられない。
「ふぅ…やるしかないようですね…」
「そう…ね、彼等を倒さない事には先に進めないもの。遊びは無し、全力で行きましょ」
出来る事なら戦いは避けたい桐子だったが、その意に反してヤヨイのやる気が高い。
―彼女は戦いを楽しんでいる?それとも何かの実験?―
そんな事を思案している余裕が有る辺り、桐子もここ数日に置ける、日常的な戦い
に慣れてしまっていたのかも知れない。
そういえば、最初から全力での戦闘というのは、今回が初めてなのかも知れない。
この戦いの為だけに準備をし、万全の状態で望む。『戦う』と解っている故の準備。
そもそも、負けると解っていて戦う馬鹿は居ない。だから勝つための準備をする。
準備を終えた後、彼女等は戦うべくしてその場に立つ。
―そして、戦いは始まるべくして始まり、数刻の後、終るべくして終焉を告げた―
完全に組み伏せたと思った矢先、レディボーンズは兵士を中に浮かせ、そのまま何
処かへと飛び去ってしまった。
「悪く思わないでね…。私達はこんな所で立ち止まっている訳にはいかないんです。」
ベルクレアが既に飛び去った後の虚空に向かって、憂いを帯びた表情でそんな事を
呟く。それは彼女の決意なのか、単なる独り言なのか、誰にも判らない。
「さて、と。後は魔方陣を記録して外に出るだけですねー」
嬉々としてベルクレアと戦っていたヤヨイが、妙に明るく言葉を発する。
この娘の発言は、何かしら何時もタイミングがいい。
いや、タイミングを「併せている」といったほうが正しいだろうか。
これも彼女故の、一つの特技といったところだろう。
「そうね、魔方陣の所は強そうなゲテモノは出てきませんし、さっさと終らせて外
で休みましょうか」
そして彼女達一向は、歩を魔方陣へと向け、足取りも軽く進みだしのだった。
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とまぁ、戦闘シーンは省略してます。
だって文字制限オーバーしちゃってメンドクサイ…w
中略って便利ですね!
次回は遺跡外なので、ちょっと本格的に内容を弄ろうかと思ってます
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