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以下は島に滞在する沓子から、本土の総一への手紙の内容である
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Don't know when they reach you.
Dearest 神野総一 様
この島について、調査を始めてから7日が経過いたしました。
其方のご様子は如何でしょうか?同行者達のお陰で、私は元気です。
お恥ずかしい話ですが、先日ホームシックに掛かってしまい、其の様を同行者
に嗜められ、決意を新たにした次第で御座います。面目ありません。
さて、以前提出した内容に認めました緑色の物体についてですが、捕獲も成功
し、生態調査の方もほぼ完了いたしました。
この緑の物体は、この島の中では「歩行雑草」と呼ばれておりました。行動理
念などは大凡にして持ち合わせず、ある程度の群れを為して島内をさ迷い歩き、
遭遇者を捕食している様子。身体的には、人のそれと似た節もありますが、細
胞組織自体そのものは、元であった雑草の物のようです。
同行者内の一人は、この雑草を「韮」と言い張っていたようですが、様々な観
点から見ても韮では在りませんでした。強いて上げるとすれば、似ているのは
ドクダミ辺りでしょうか?
まぁ、ヤエドクダミ程、花弁が豪華ではないので通常の物なのでしょうけど…。
というよりも、花が咲くのかどうかも怪しいです。春になれば判るかしら…?
今後は「歩行雑草」に関した調査は終了として、新たな生物の調査に移りたい
と思っております。先ほどですが、丁度手頃な生物も現れたようですし…。
先に申し上げておきますと、次の調査対象は蟻です。
蟻と言ってもとてつもなく大きい蟻です。「巨大蟻」という身も蓋もない名前
のようですが、形容詞としては間違い在りません。巨大という他ないでしょう。
そろそろ出発するようなので、手紙を書く時間もなくなってまいりました。
くれぐれも、御自身の体調管理にはお気を付け下さい。
では、また。
From 霧島沓子
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歩行雑草に関する調査報告書のようなものです。
先日の失態についても書き認めてあります。自分への戒めでしょうか。
弱音を吐くことだってあるさ、人間だもの みつを
蟻に勝ってれば、雑草開放→蟻ペット化という流れを予想した手紙だったのに…w
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